2021年を迎えるにあたり、新春のおめでたい浮世絵をご紹介いたします。元旦の日、江戸の人々は夜明け前から初日の出を見に出かけ幸多き一年を祈りました。正月二日の物はじめの日には、武家は馬乗り始め、商家では初荷、初売りがはじまり、江戸の町は再びにぎわいはじめます。太神楽、万歳、春駒、鳥追など門付けの芸人が市中を回り、人々は吉夢を信じて宝船の絵を枕の下に敷き眠りました。新年を喜び祝い、正月を楽しむ気持ちは今も昔も変わりません。本展では、2021年の干支である丑をモチーフとした浮世絵や肉筆画の他、七福神や吉夢をあらわし作品、双六なども併せて展示いたします。新しい一年のはじまりに、福を呼ぶ浮世絵をぜひお楽しみください。